今回のリフォームは耐震補強は主たる要望ではありませんでしたが、建築を扱う以上、耐震性を無視することは、職業倫理に関わることだと感じております。リフォームをするついでに耐震性を上げるということはこれからのスタンダードになっていくと思います。しかし、工事費も設計料もあまり多くはかけたくはないリフォームで、構造事務所に構造を依頼することは大変、懐に厳しいお話です。そこで、意匠事務所が耐震診断をし、耐震補強することになります。
私は、自分で耐震診断し耐震補強計画をした場合、構造事務所のアドバイスを貰うようにしております。構造の専門家からみると、足りない部分がかならずあるからです。たくさんの経験を積むことでそのギャップを埋めて行ければと思っています。
左の写真は小屋裏の写真です。構造事務所から、小屋組みの雲筋交いを設けるように指導されました。雲筋交いとは、バッテン状に打ち付けた板のことを指します。ソフト頼みの耐震診断ではこうした部分を評価し補強することに気が回りません。木造を深く理解しているからこそできる指導だと思います。耐震補強はこうした数値に現れないような部分によって性能に差がつくと思われます。
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